Q:補完療法に興味を持ち始めたのはいつ頃ですか?
A:30年間、看護師として勤めてきました。研修生時代、寝付けない患者さんに行う、簡単な背中のマッサージを教わりました。それが意外と上手だったので、80年代初めの頃に、チェアリングクロス病院でアロマセラピーとマッサージのコースを取って、学び始めました。その後、色々なコンサルタントの皆さんの協力を得て、臨床現場と看護学校での教習時間にマッサージとその他補完療法を導入し始めたのです。最初は、ギランバレー症候群の患者に対して、簡単な脚と足裏へのマッサージを定期的に行いました。その後、HIV・エイズ患者へマッサージを提供して欲しいと依頼が来るようになりました。マンチェスター王立診療所に移動になってからは、多発性硬化症とパーキンソン病の患者に対して、現場でマッサージとリフレクソロジーを行うようになりました。
Q:クリスティーホスピタルではいつから働き始めたのですか?
A:2001年からです。私の役割は、セラピストのチームを編成し、本院の補完療法サービス運営費を捻出するための収入源を創り出すことでした。当時は、非常勤セラピスト2名でしたが、現在は33名になり、うち17名が有給スタッフの扱いです。この12ヶ月(※記事が出た2007年から遡ること)の間に補完療法サービス運営費として11万ポンド(2007年当時の為替で約2500万円)の資金を集めることができた。
Q:補完療法サービスはどんな患者さんに利用されているのでしょうか?
A:外来患者にも提供していますが、対象者は最近医学的な治療を受けて、その治療の影響によってなんらかの不安を抱えている患者に限定しています。例えば、針恐怖症や、予期嘔吐など、特に化学療法による影響がある方。補完療法チームのセラピストのほとんどは、病棟内で働いており、患者やその介護者にトリートメントをしています。過去4年間で、患者に対して14000件、介護者に3000件、院内スタッフに対して4000件のトリートメントをそれぞれ提供してきました。患者と介護者には無料で、スタッフには30分で5ポンドで提供しています。
Q:がん患者と接することは、様々な感情的なプレッシャーも抱えるかと思いますが、どのように対処しているのでしょうか?
A:確かに、難しい部分ですが、クリスティでは独自のサポートシステムを作っており、それに助けられています。がんとはどうい病気なのか、どんな治療法があるのかという知識面でのサポート、正しい知識をもったセラピストの育成も重要ですが、セラピストひとりひとりのメンタル面の管理体制も整えています。私自身も月に一度、心理療法士の監督を受けています。
Q:これ!という補完療法を選ぶとしたどれですか?
A:日々、発見です。現場で実践すればするほど、セラピーがもたらしてくれる様々な効果に気づき、学びがあります。リフレクソロジーと誘導イメージ療法の組合せが、治療に関連した不安には効果があると実感しています。現在、私は院内の禁煙プロジェクトの一部で、鍼灸を取り入れていますが、非常に興味深い結果が出ています。マッサージ、特にチェアマッサージは特に介護者に役立っています。介護者が愛する患者寝ているベッドの横で、リラックスして、ときにマッサージ途中でスーっと寝息を立ててくれるのは、セラピストにとっても嬉しいものです。ですが、最終的にどのトリートメントがいいか、選ぶのは患者自身です。
Q:医療従事者の補完療法に対する反応は変わりましたか?
A:去年、医師13名によって、従来の「未確認・反証」の医療行為への資金提供の即時中止を求める署名文書が英国全土のNHSトラスト(保健省の医療財源による組織)に送られましたが、この動きに対するクリスティでの反応は好意的でした。クリスティのコンサルタントの多くが、現場をみて、患者が症状の緩和、睡眠、全体的なウェルビーングにおいて、補完療法の恩恵が見受けられる、と言ってくれています。
Q:セラピーが完全に医療システムに“統合”される日は来ると思いますか?
A:クリスティでは、この問合せをいつも受けています。その意味では、統合されていると私達は感じています。NHS本体が資金繰りの問題を抱えているため、これは避けて通れないでしょう。研究を通してエビデンスが積み上げられ、これが統合への足がかりとなり、補完療法の名を広めることに繋がるでしょう。 |